映画「竜とそばかすの姫」で、仮想世界<U>のなかで登場するジャスティンという<As>がいます。
彼はジャスティスという自警団の男性メンバーで、表向きは<U>の平和を守る組織として活動しています。
作中では、竜の正体は判明してくるのですが、ジャスティンの正体は誰にもわからないまま映画は終わってしまいます。
そこで本記事では、作中の様々な情報をもとにジャスティンの正体について迫っていこうと思います。
それではいってみましょう!
竜とそばかすの姫ジャスティンの正体は誰なのか
はじめにジャスティンとはどんな人物なのかと、ジャスティンの正体が恵と知の父親ではないか?について話していきます。
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ジャスティンとは
ジャスティンは、仮想世界<U>の正義と秩序を守る自警団;ジャスティス軍団のりーだーです。
ジャスティス軍団とは、スポンサーに活動を支援してもらっている<U>の平和を守る組織です。
表向きは<U>内に現れる悪を取り締まる組織なのですが、実際のところは悪者をアンベイルして正体を暴くことを目的としている、危ない集団なのです。
ジャスティンの容姿は、金髪を逆立てた碧眼の<As>で、引き締まった筋骨隆々で堂々たる体格で強さをたくましさを感じさせます。
白に赤いラインが入ったバトルスーツを着用し、まさにヒーローと呼ぶにふさわしいキャラクターに思えますが、大勢の<As>から行き過ぎた正義感を非難されています。
こんな組織にスポンサーが付くとは驚きですが、50億を超えるアカウントを抱えるネット空間では、ものすごい宣伝効果となるのでしょう。
<U>の世界では正体は誰なのかを暴かれることが、誰にとっても一番恐ろしいことです。
ジャスティンは恵と知の父親
物語の中盤で明らかになる「竜」のオリジンは、家族であるはずの父から激しい虐待を受ける兄弟の兄・恵でした。
作品内で描写されるさまざまな要素から考察すると、そんな恵の父こそが<U>世界内で活動する自警団のリーダー:ジャスティンのオリジンではと考えることができます。
劇中で直接名指しが行われる訳ではなく、またジャスティン・恵の父の声優もそれぞれ異なるため、はっきりと断定することは出来ません。
しかしその一方で作中には、恵の父がジャスティンのオリジンであるとの仮定を裏付ける証拠もいくつか存在しているのです。
性格
父親は日頃から子供に暴力を奮っていたにも関わらず人前では笑顔を取り繕い仲良く暮らしていると公言しています。
この自己中心的な考えや正義を履き違えていた言動がジャスティンと共通しているように思えました。
父親は在宅業務
恵の弟の知は竜の数少ないファンの1人として、動画配信サイトでのライブ中継を日頃から行っていました。
そして作中では、すず=ベルが竜の前でだけ歌った曲を知がライブ配信中に口ずさんだことが、竜のオリジン=恵を突き止める糸口になりますが、その行動が父の怒りを買い、知を庇う恵が暴力を振われるきっかけとなってしまいます。
恵の父はその最中で隣の部屋で仕事中と発言しており、彼の仕事が在宅で出来る仕事である事を伺わせていました。
一方で<U>内での犯罪を取り締まる組織ジャスティスは、ジャスティンが運営陣から認められていないと作中でも発言している通り、あくまで自警団であり<U>公式の組織でない事がはっきり描かれています。
しかしジャスティン自身は、そのカリスマ性から<U>内では有名人であり、名乗りの際に複数の企業名ロゴが背後に表示される様子からも分かるように、スポンサーの広告塔として自警団活動をしている側面もある、いわば<U>での活動を『仕事』としている人物でもあります。
仮想空間<U>におけるアバターとなる<As>を操作するデバイスは、作中では持ち運びが可能なほどに小型化されていますが、もちろんパソコンを利用し家庭内でも接続が出来ます。
つまり<U>内での自警団活動は在宅可能な仕事であり、この点もジャスティン=恵の父と言う説の裏付けの1つとなっています。
容姿の特徴が似ている
ジャステインは金髪に筋骨隆々とした肉体を有しており<U>の世界の自警団としての威厳を見せています。
一方で恵と知のお父さんも逆三角形の上半身に太い腕という鍛え上げた肉体を誇り、捻じ曲がった考えで恵と知にDVを繰り返しています。
容姿と雰囲気が似ているのでジャスティンの正体が恵のお父さんではないかと言われています。
暴力を行うシーンが同じ
ベルが竜の隠れ家の城に出入りしているのを見つけたジャスティンはベルに「アンベイル」をしようと拳を振り上げたシーンがありました。
現実世界では恵と知のお父さんがクライマックスですずに対して拳を振り上げるシーンがありました。
この2シーンが非常に似ていたので恵のお父さんがジャスティンではないかと推察されました。
恵の父親がすずに気圧された訳
映画の終盤、すずは弘香や瑠果、忍など友人たちの協力によって虐待を受ける恵と知の住所の割り出しに成功し、彼らのもとへと急行します。
兄弟の家の近くで2人を保護したすずは、その様子を見てさらに怒りが最高潮に達した恵の父に引き離されそうになりますが、すずに見つめられた恵の父はなぜか怖気づいてしまい、逃げるようにその場を去っていきます。
物語の流れから見れば、恵の父によって顔を引っかかれ、頰から血が流れてもなお一歩も引くことのないすずの気迫に怯えたと考えるのが妥当ですが、恵の父がジャスティンであると仮定した場合、恵の父がすずに気圧された理由にも別の解釈が見えてきます。
すずは<U>内では圧倒的な人気を誇る歌姫:ベルでしたが、現実では自分に自信を持つことのできない少女でした。
しかしすずは竜=恵からの本当の信用を得るべくジャスティンに自身をアンべイルさせ、素顔を世界中のファンの晒した上で絶唱、再度その人気を勝ち取ります。
ジャスティンにとってインターネットの世界で匿名性を捨てるのは終わりであり、その常識を打ち破り自身のスポンサーすらもを撤退させたすずは、もはや恐怖の存在だったといえます。
そしてアンべイルによってすずの素顔を知っている以上、もしジャスティンが父親なら目の前にすずが現れたとしたら、それ以上の恐怖はないでしょう。
それらをふまえると、ジャスティンの正体が恵の父がすずに怯えるのはキャラクターの感情としても納得できるものであり、ジャスティンと恵の父を結びつける決定的な描写であるとも言えます。
ジャスティンはアンベイル出来る理由
元々アンベイルとは<U>の世界を創設した「Voices」という5人の賢者だけが使える能力でした。
ジャスティンは竜を討伐するという目的でスポンサーを募り、彼らの協力を受けてアンベイルできるようになったと言われています。
しかし、すずがアンベイルでも潰れなかったことでスポンサーは離れていきました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
竜とそばかすの姫の仮想世界<U>に登場するジャスティンについて解説してきました。
「現実世界」と「仮想空間」の2つの世界を舞台とした物語だからこそ生まれる、誰と誰が同一人物なのかと言う謎。
その謎は現代社会における「インターネット」にも存在する、時に利用者を守り時に利用者を悪の道にも導いてしまう「匿名性」と言う性質から生まれています。
正義の使者であるはずの「ジャスティン」は、果たして子供たちに虐待を行う「非情な父」なのか。
それは定かではありませんが、ジャスティンを恵の父と考え本作を再鑑賞すると、「竜とジャスティンの攻防」は仮想空間の世界での「父と息子の攻防」へと様相を変化し、物語の持つ重みはさらに深まっていきます。
最後までに読んで頂き、ありがとうございます
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